備忘録 小説ジョン万次郎 童門冬二

脚色がついていることとは思うが、改めて日本における新たな文化をもたらし、時代を築いた偉人の生涯に感銘を受けた。

藩政の時代には、国外貿易を制限していたことだけでなく、国内での人々の移動も規制されており、士農工商により、出自によって様々な選択肢が狭められていた。

偶然にも、難破し、漂流した島で、アメリカ人に助けられることで、当時14歳の万次郎が養子として、異文化の地で学問を修め、積極的に人生を開拓していく姿が印象的だった。

彼は、当時の実力主義的な欧米の文化に、見事に適応していった。アメリカで就学し、優秀な成績を納めながらも、偏見から周囲の同輩から関わってもらえなかったシーンがある。凧を自ら作り、注目を集め、自分の存在を認めさせた彼の姿は、封建主義的な日本の文化と実力主義的なアメリカの見事な対比を表していた。万次郎の反骨精神が、胸に響いた。

ゴールドラッシュの時代、鯨漁で生計を立てていた養父の手伝いをしていた万次郎は、時代の流れに乗ることを決心する。日本に帰る資金を貯め、家族へのお見上げも調達した、賢明さを感じた。

ただ、帰路でも、英語を話す万次郎は、スパイだと疑われ、厳しい取り調べを受ける。

また追記します。

読後、時間が経っているため、小説の内容に誤りがあるかもしれません。

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